皆さん、こんにちは、そしてこんばんは。CCOまどかです。
毎日、元気に走り回っていた私ですが、今年の2月に人生初の突発性難聴を発症。
その時のプロセス、気づきを通して学んだことなどを、well-beingの観点も交えながら連載で綴っています。
前回の続きからご一読いただければ幸いです。
情熱(パッション)の2元モデル
振り返ってみて、この話をうるちゃんとしていた時に、
ポジティブ心理学の「情熱(パッション)の2元モデル」の話になりました。
これは、情熱(パッション)の研究をして いるVallerand博士による理論。
この理論によるとパッションには以下の2つのタイプがあると言われています。
OP:統制力のない強迫性情熱(obsessive passion: 以下 OP)
・自分でやめられない、コントロールが困難
・そのことをして得られる結果が欲しい
・そのことがないとだめ、取り憑かれてしまっている
・「今その活動ができないとき」に痛みが生ずるもの
(テレビやネット、ギャンブル依存、ワーカホリック、DVなどもOPが生じていると言われています)
これらは、ウェルビーイングと、パフォーマンスを減少させてしまいます。
HP:統制力を備えた調和性情熱 (harmonious passion: 以下 HP)
・いつでも辞められる、コントロールが可能なもの
・そのこと自体が楽しくて、他の活動との葛藤が少ない
・その人の他の人生と調和しているもの
・「一生その活動ができなくなる」と分かった時に痛み
(集団スポーツ、芸術、対人関係での活動においても HPが生ずると言われています)
これらはウェルビーイングと、パフォーマンスを増大させてくれます。
[参考:「情熱に関する心理学研究の概観-Vallerandの情熱研究を中心に」羽鳥・石村(2017)]
「かなりざっくりいうと、燃え尽きるまでやってしまうOPと、周りの要素と調和をとるHP。
OPはウェルビーイングを減少させてしまうけど、HPはウェルビーイングを増加させるんだよね。」
うるちゃんから、そう言われてみて初めて知った 「情熱(パッション)の2元モデル」 OPと HP。
聞き馴染みのない言葉に戸惑いながらも、突発性難聴になるまでの一連のプロセスを振り返って、自分の体験として置き換えてみることにしました。
当初の目的としては、
・コーチとして、コーチングのみならず、時にはカウンセリングもできるようになりたい。
・仕事のパフォーマンスを上げ、お客様やビーノメンバーをはじめ、さらに多くの人の役に立てるようになりたい
そのためにコーチングとカウンセリングのスクールへ通い、学び始めました。
ここまで考えると、自分の人生とも調和しているし、そのこと自体が楽しくて、他の活動との葛藤も少ない、まさにHPな状態です。
確かにウェルビーイングも、パフォーマンスも、高い状態にあるはずでしたし、実際に年明けごろまでは、心身ともにとても気分の良い充実した状態が続いていました。
ところが…1月末辺りから、こうも思い始めていました。
・コーチングも、カウンセリングも、まだまだ学び足りないのでは?
・私よりもできる人は沢山いるんだし、あれも、これもできるようにならないと。
・やっぱり、ここまでやらないと駄目なんじゃないかな。この程度では、まだまだ思っているほど人の役に立てないのでは・・・?
「そのことがないとだめ」では、ないはず…
けれども、「そのことをして得られる結果」を、いつのまにか貪欲に欲しがるようになっていきました。
学ぶことの楽しさや快感。
寝る時間も惜しんで活動に没頭。
もっと、もっと、もっと・・・
まさにコントロール困難!
徐々にですが、「自分でやめられない」OPの状態そのものになっていったのです。
ウェルビーイングも、パフォーマンスも、ダダ下がりに落ちてしまったのは言うまでもありません。。。
そして、気がつくと、右耳がビリビリと鳴り始めてしまったのでした。
「OPもHPも両方とも『情熱』だから、本人はやりすぎていても気付きにくい。
まぁ〜大切なのは『バランス』って話なんだよね。」
うるちゃんと振り返りながら、そう話していた時に、はたと気づいたことがありました。
「でもさ、これって今回のまどかの突発性難聴に限らず、誰もが経験することなんじゃないのかな?!」
あぁ…そうか!!
いつのまにか「目的と手段がすり替わってしまう」って言うことかぁ…