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心理的安全性は「優しさ」ではない——B-nOが問い直す、本音と成長が両立する組織とは

心理的安全性は「優しさ」ではない——B-nOが問い直す、本音と成長が両立する組織とは

皆さま、こんにちは。そしてこんばんは。CCOまどかです。

心理的安全性は、ただ「優しい職場」をつくることではありません。

ウェルビーイング経営や組織づくりに取り組む中で生まれる悩みや誤解を紐解きながら、B-nO Consultingが考える「本音と成長が両立する組織」とは、どんな組織なのかを探って行きます。

なぜ今、心理的安全性なのか

心理的安全性について考えるようになった、きっかけ

最近、あらためて「心理的安全性」という言葉について考えています。

きっかけは、いくつかありました。

一つ目は昨年末に開催したオンライン勉強会「組織のウェルビーイング創造MTG」でメインテーマとして取り扱ったこと。

二つ目は、ここ最近『びのけん日誌』でも、ずっと向き合ってきた「ティール組織とウェルビーイング経営との関係性(※)」。

2月に開催した「組織のウェルビーイング創造MTG」では、“ティール組織“をメインテーマとして取りあげ、対話の最後で、うるちゃん(漆間 聡子)から、こんな言葉が語られていたのも印象的でした。


“ウェルビーイングとティール組織の接合を考えるとき、
いきなりティール組織をつくろうとするのではなく、

まずは「個人が有能感や成長実感を持てること」、
そして「組織の中で育まれる安心と信頼の関係性」、
つまり参加者からもこの言葉が出てきたように「心理的安全性」がある状態が重要なのではないかと感じています。“

あらためて、ウェルビーイングやティール組織と、「心理的安全性」が地続きのテーマであることを実感した瞬間でした。

***

さらに、もうひとつのきっかけは、3月25日に行われたB-nOのリアルイベント(※)です。

オンライン勉強会でつながっていたメンバーが実際に集まり、ゲームイベントを通して対話を重ねていったその場には、誰もがあるがままの自分でいられる “安心して話せる空気” があったことを実感!

発言が否定される不安がなく、わからないことや違和感も、そのまま言葉にできる。

誰かの言葉をきっかけに、自分の考えがふわっと変化していく。

そんなやり取りが、無理なく生まれていた時、ふと思ったのです。

「心理的安全性」が高い状態って、まさにこういう状態なのかなぁ〜と…

心理的安全性が感じられなかったからこそ、繋がった未来

思い返せば、私が「心理的安全性」という言葉に出会ったのは、2017年のことです。

当時私が勤めていた職場は、まさに「心理的安全性」が欠如している状態でした。


「分かりません」と聞きにいくと「俺だって分からねぇよ」とキレて怒鳴り返してくる上司。

企画を練って提案しようとしたところで返ってくる言葉は、「それって金になるの?」


過度なストレスや不安。

問題があっても共有されず、学びに変わらないまま積み重なっていく。


組織としては「それが当たり前」とされてきた風潮があるようですが、私個人としては “少しずつエネルギーが失われていく感覚” がハッキリとありました。


そんなときに出会った言葉が、「心理的安全性」でした。


「ああ、これが感じられないから、うまくいかなかったのか」


そう腑に落ちたと同時に、強く思ったことがあります。


“「心理的安全性」のある場で働きたい。
そしていつか、そういう場をつくる側に関わりたい。“


「心理的安全性」が感じられなかったからこそ、その想いが、今の自分につながっています。

B-nOとして「心理的安全性」にどう向き合うのか?

だからこそ、あれから10年近くたった今、あらためて問い直したいのです。

「心理的安全性とは、いったい何なのか。」

言葉としては広く知られるようになった一方で、最近ではどこか違和感のある使われ方も増えてきているように感じます。


「優しくしなければいけない」

「厳しいことは言ってはいけない」

「波風を立てないことが正しい」


——本当に、それで良いのでしょうか?!


今回の『びのけん日誌』では、心理的安全性という言葉をあらためて捉え直しながら、

「心理的安全性が “誤解されやすい言葉“ として使われるようになったと感じる今、B-nOとしてどう向き合うのか」

この問いについて、考えていきたいと思います。

心理的安全性とは何か

ここからは、昨年末に開催された「第3回 組織のウェルビーイング創造MTG 『心理的安全性と本音の対話』」で行われた、うるちゃんによるレクチャーパートを踏まえながら、心理的安全性についてさらに紐解いていきます。

心理的安全性の定義

心理的安全性とは1999年にハーバード・ビジネス・スクールのエイミー C. エドモンドソン教授によって提唱されたもの。

「チームのメンバーがリスクを冒したり、疑問や懸念を口にしても、ネガティブな結果を恐れずに済むという信念」と定義され、「率直であることが許される感覚」とも表現されています。

具体的には、

・ミスを認められる

・わからないと言える

・反対意見を出せる

・助けを求められる

こうしたことができる状態が、心理的安全性の高い状態だと言われています。

一見すると当たり前のように思われるかもしれませんが、実際の職場ではこれが難しい場面も案外多いのではないでしょうか?!

心理的安全性の効果と欠如した状態

心理的安全性が高い状態がもたらす効果は大きく3つあると言われています。


・モチベーションの好循環
〜安心感は個人のエネルギーを最大限に引き出す〜

・集合知が機能する
〜多様な視点と率直なリスク共有による知の集合〜

・失敗から学ぶ強いチーム
〜心理的安全性は学習とイノベーションの前提条件〜


心理的安全性が高い状態では、個人のモチベーションや主体性が引き出されます。

また、多様な意見が共有されることで、集合知が機能しやすくなります。

印象的だったのは、「ミスが多いチームほどパフォーマンスが高かった」という話です。

それはミスが多いのではなく、ミスを隠さず報告できていたということ。

つまり、心理的安全性があることで、「学習の機会」が増えていたのです。

***

一方、心理的安全性が欠如した状態とは…

・ウェルビーイングの低下

過度なストレスと不安
燃え尽き症候群
離職率の上昇

・パフォーマンスの低下

沈黙・隠ぺいによる問題の深刻化
責任回避行動
アウトプット品質の低下

・組織学習の減退

失敗から学べない
イノベーション起きない
市場競争力の低下

ちなみに、こうして見てみると、残念ながら冒頭で触れた前職の私の会社の状態は、どれもこれも全てが当てはまっていたように感じています(苦笑)

「学習ゾーン」VS 「快適ゾーン」いくら心理的安全性が高くても…

しかし、ここで大切なのは心理的安全性=「ぬるま湯」ではないという点です。

あるある話ですが、経営者の皆様へ「心理的安全性を高めていきましょう」という話をすると…

「いや、それって甘い組織なんじゃないの? 結果的にパフォーマンスを下げるんじゃないか?」

といった認識を持たれる方は、案外多いそうです(苦笑)

***

本来目指すべきは、心理的安全性が高く、業績基準も高い「学習ゾーン」!

(「業績基準が高い」=「目標設定がちゃんとできている状態」と考えます)

高い目標を掲げて、成長や挑戦が求められ、そこに対してちゃんとコミットしている状態。

つまり、「高いパフォーマンスを出して、率直な意見を言い合い、協力ができて、イノベーションが起きている」という状態が生まれてくるのが、心理的安全性が高い状態だと言われています。


それに対して、いくら心理的安全性が高くても業績基準が低ければ、それはただの「快適ゾーン」になってしまうのです。

そういう職場では、

・仲は良いけど挑戦はしない

・建設的な対話がない

・現状維持バイアスがある

この状態こそが、いわゆる「ぬるま湯」…

果たして、本当の意味で心理的安全性が高いと言えるのでしょうか?!

実際の対話の中で“感じたリアル”

ここからは「組織のウェルビーイング創造MTG」で参加者と共に実際に行われた対話を交えながら、気づいたこと・感じたことを、まとめて行きます。

心理的安全性を感じた場面と感じられなかった場面

今回の対話の中で、参加者からさまざまな体験が共有されました。


心理的安全性を感じた場面として多かったのは、

・失敗を受け止めてもらえた

・上司が責任を引き受けてくれた

・強みを理解して任せてもらえた

・助けてと言えた

といったものでした。

***

一方で、感じられなかった場面としては、

・正解を当てることが求められる

・評価が下がることへの恐れ

・上司の顔色をうかがう関係

・表面的な称賛

などが挙げられました。

ここから見えてくるのは、心理的安全性とは「ただ優しいこと」ではなく、存在や関係性が脅かされないという感覚である、ということです。

「優しさ」が必ずしも心理的安全性ではない

対話が進む中で、ある違和感が浮かび上がってきました。

それは、「優しさ」が必ずしも心理的安全性ではない、ということです。

むしろ、

・波風を立てない

・厳しいことを言わない

・離職を恐れて踏み込まない

そうした状態が続くことで、結果的に“何も言えない組織”になってしまうこともある。

心理的安全性という言葉が広まったことで、「優しくすること」が正解になり、「言うべきことを言わない」空気が生まれてはいないか?!

本当に必要なのは、安心の中で、本音や違和感、反対意見を出し合い、そこから学びや成長につなげていく関係ではないか?!

そんな問いが立ち上がってきました。

***

ここで見えてきたのは、心理的安全性はそれ単体で成立するものではない、ということです。

ミッションやビジョン、目的の共有、役割や期待。

納得感のある仕組みや評価。

そうした土台があってはじめて、人は安心して率直に話すことができる。

さらに言えば、それは一度つくれば終わりではなく、対話や関係性の中で、少しずつ育っていくものでもあります。

終わりに

それでもなお、私たちは問い続けていく

「自分で主体的に考え、組織がこうなりたいという姿を描き、自らの意志で行動を選び取ることができる。」

組織の中で、そういった行動ができる人が増えていくこと。これは、まさにウェルビーイングな状態だと言えるのではないでしょうか?!

***

そのためには、安心して意見を言える関係性が必要であること。

心理的安全性とは、「傷つけないこと」ではなく、本音や違和感、反対意見がちゃんと出せる状態。

さらに言えば、その対話が、学びや成長につながっていく状態。つまり「ともに、よりよくなるために、率直でいられる関係性」なのかもしれません。

それは、土台の上に成立し、関係性の中で育ち続けていくもの。

そして、一朝一夕に簡単に答えが出るものでもありません。

「心理的安全性とは、いったい何なのか。」

だからこそ私たちは、結論を出し切るのではなく、試行錯誤しながら問い続けることを大切にしたいと思います。

B-nOもまた、ウェルビーイング経営を実践する中で、この問いに向き合い続けていきます。


※『びのけん日誌』は毎月、第2・4水曜日に更新します。次回は4/22(水)更新予定です。お楽しみに!

また、次回の「組織のウェルビーイング創造MTG」は5月27日(水)にオンラインで開催します。
WEBページの「お知らせ」に詳細をお伝えいたしますので、こちらも楽しみにしていてくださいね!

人を大切にする組織づくり

ここまで、お読みいただきありがとうございました。

最後に、「人の問題は尽きない…」そんな言葉を耳にしたことはありませんか?

今回のテーマでもある「組織の心理的安全性」とは何か?! 世代の違い、価値観の違い、立場の違い。コミュニケーションギャップ…

でも、「違いがあるからこそチームは強くなれる!」

私たちB-nO Consultingのメンバーも、そんな風に考えながら日々試行錯誤を繰り返しています。

『びのけん日誌』では、これからも「組織が幸せに働くためのウェルビーイング経営のヒント」を探究していきます。

ぜひ、また訪れていただけたら幸いです。

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もしも、中小企業の経営者として、あるいはウェルビーイング経営や・健康経営推進担当者として、

「人を大切にする組織づくり」

本気で進めたいと思っているならば、“強み”を鍵にした働き方や関わり方は、きっと大きな力になります。

ご関心のある方は、ぜひ一度お気軽にご相談ください。

小さな一歩から、チームの未来は確実に変わっていきます!!