コンテンツ  

快感と成長のワナ?! 楽しすぎて気づけなかった心と身体のSOS

快感と成長のワナ?! 楽しすぎて気づけなかった心と身体のSOS

皆さん、こんにちは、そしてこんばんは。CCOまどかです。

 色々な方がいらっしゃるのではないかと思います。

今回のお話は、一言でいうと「体調管理下手くそか〜!!」という私自身の体験談です(苦笑) 実は2年前のちょうど今頃、人生初の突発性難聴を発症してしまいました。

その時の体験を振り返りって気づき・学んだことなどを「『快感と成長のワナ』楽しすぎて気づけなかった心と身体のSOS」題し、ポジティブ心理学やウェルビーイングの観点も交えながら、綴っていきたいと思います。

(この記事は、WEBページお引越し前に綴っていた過去の記事をベースに、今の視点で少しだけ再編集しています。大切にしてきた想いは、当時のまま。ご一読頂ければ幸いです)

人生初の突発性難聴

耳鳴りは突然に…

ちょど2年前の1月末。ビリビリビリ…という、微かな耳鳴りがするのを感じていました。


ちょっと気持ち悪いなあ…


そう思いつつも「気のせい。気のせい。少し疲れが溜まっているんだろう…」くらいでスルー。


ところが2月に入ってからは、両耳から後頭部にかけて、何か袋のようなもので覆われているようなボワ〜っとした感覚が現れ始めました。


確かにちょっと聞こえ辛い感じがするけど、「まぁ〜それもすぐ治るだろう」とあまり気にせず過ごしていました。


それから、一週間くらい経った2月の上旬。


ビリビリビリ…という音に加えてキーン…


耳鳴りは益々ひどくなっていき、天井を見上げるとグルグル回っているような感覚…目眩の症状が出始めたのです。


流石に「これはまずい」と、地元の耳鼻咽喉科へ足を運びました。


検査を受けてみると、右耳の低音の聴力が落ちていたのですが、特にこれといった病名は何も言われませんでした。


ただ、処方された薬には「メニエール病を抑えるお薬です」と書かれてあります。


メニエール病?! そういえば、過去に元タッキー&翼の今井翼さんがメニエール病で活動休止してたよなぁ…ていうか、活動休止するほどって、結構やばくない?!


それから、目眩は落ち着いてきたものの耳鳴りは一向に治らず、症状がひどい日が続き始めました。

病院へ行こう

「なんか変…右耳が、すごく聞こえづらい」


それは、2月の中旬のことでした。ビーノメンバーとの打合せがあり、オフィスへ出社したところ右耳が明らかに聞こえ辛くなっていたのです。


「えぇ? それ突発性難聴だったらどうするの?! 聴力戻らなくなっちゃうじゃん! 病院行こう!?」


そういって、うるちゃん(ビーノ代表取締役社長・漆間聡子)は慌ててオフィス近くの病院を検索し始めました。


一緒にいたエンディー(ビーノ取締役・遠藤 靖)は、「大丈夫?! 僕が一緒について行こうか?」


(やさしい…)


仲間のあたたかさに感動しつつも、そこまで心配されてしまっているほど状態が悪くなっていた自分に、はたと気


「これは、なんとかして治さなくては!!」


オフィスから歩いておよそ15分ほどの耳鼻咽喉科へ急ぎました。

ステロイドと睡眠

飛び入りで診察をお願いしたため、待つこと1時間半。


聴力や目眩の検査などを行った後、医師から言われたのは


「まずは聴力を戻すために一週間ステロイドを飲んでください。」


「ス、ステロイド!!!」


ちょっと大袈裟に感じるかもしれませんが、薬嫌いな私にとって、その言葉は脅威でしかありませんでした(笑)


しかしながら、今は一時的にでも失ってしまった聴力をできる限り戻すことの方が最優先。


何よりも心配してくれているメンバーの顔を思い浮かべながら、しっかりと身体と向き合う決意をしました。


…そして、最後に恐るおそる医師に尋ねてみました。


「先生、これってもしかして…」


「ええ。突発性難聴ですよ。」


「・・・」


「軽度ですけどね」


(ん? 軽度?!) 


「先生…私の耳、このまま聞こえなくなっちゃうんですか?」


「だから、まず薬を飲んで聴力を戻しましょう。ステロイドを飲むには絶好のタイミングです!」


「絶好(笑)」


「それと、寝てますか?」


(・・・!!)


「寝て、は、いますけど…」


「ちゃんと寝てくださいね!」


突発性難聴は、過剰なストレスにより発症される事例は多いようです。けれども、その主な原因は未だ解明されていないそうです。


(恐ろしや)


とにかく治さなくては…


オフィスへ戻るまでの道のり、およそ15分間。


自分の身に何が起きているのかを冷静に考えようと、これまでを必死で振り返りました。

予兆は既に…

2週間ほど前、すでに予兆はありました。


何かが耳に詰まっているような、時には覆い被さっているような、ボヤッとした聞こえづらい感じ。


イヤホンで音を聴いている時に、いつもと違って頭の後ろの方から聴こえてくるような妙な感覚。


自覚はあったのです。


まずは薬を飲んで聴力を取り戻す。それでも100%元に戻るかどうかは、分からない…


[突発性難聴・ステロイド]


キーワード検索をしてみると、「処置が早ければ早いほど良い」とも書かれています。


(もっと早く対応できていれば…)


不安な気持ちが増幅し、頭の中を駆け巡りました。

ストレスの正体

過剰な頑張り

診断後から、ずっとリフレインしている医師の言葉は、


「寝てますか?」


思えば、半年くらい、身体を休めるための「休み」という休みをとっていませんでした。


当時の私は既にプロコーチとして独立できていたのにも関わらず、改めてコミュニケーションスクールに通い、コーチングとカウンセリングの学びに熱中してしまっていたのです。


理由は、企業でコーチングセッションを実施する機会が以前よりも増えたからです。


大変ありがたい事です。


けれども、企業研修の一環として社員の皆さまへコーチングを実施するということは、「上司に言われたから」といった、あまりポジティブではない理由でセッションを受ける方が大多数のはず


「もっとレベルを上げて、良いセッションができるようになりたい」


「もっと、もっと、みんなの役に立てるようになりたい…」


いつの間にか、必要以上に「頑張らなくては…」という想いが、勝手に膨らんでいったのです。

好きなこと、やりたいことのやり過ぎはストレスになる

休みの日と仕事終わり、空いている時間は全て、スクールに関わるイベントや学びの時間に費やしていました。


朝は朝で、たとえ夜が遅くとも、多少の睡眠不足は気にもせず、早起きして朝活に参加。


また、日中のちょっとした隙間時間には、ノイズキャンセリング付きイヤホンを装着して毎日3時間以上講義内容を復習して聞いていました。


(後で分かったのですが、これがまた耳への負担を増幅していたのです)


「行ける、いける。まだまだ、いける!! 大丈夫、大丈夫。」


学んで、吸収して、即実践。結果に直結していくことが心地良過ぎて、たまりませんでした!


すべてが「快」の感情と結びついていきました。 楽しすぎたのです…


皮肉にも、ストレスの正体は、「好きなこと、やりたいことのやり過ぎ」。


嫌いなことじゃなくても度が過ぎるとストレスになりうる、ということに気づかされました。


身体は悲鳴をあげ続けていたのにも関わらず、「身体の声」をガン無視!


止められなかったのです。

Vallerand博士による「情熱(パッション)の2元モデル」

ウェルビーイングと、パフォーマンスを左右させるOPとHP

この話をうるちゃんと振り返って話していた時、ポジティブ心理学の「情熱(パッション)の二元モデル」の話になりました。


これは、情熱(パッション)の研究をして いるVallerand博士による理論。


この理論によるとパッションには以下の2つのタイプがあると言われています。


① OP:統制力のない強迫性情熱(obsessive passion: 以下 OP)


② HP:統制力を備えた調和性情熱 (harmonious passion: 以下 HP)


OPtとHPについて、具体的な事例を上げながら説明していきます。


① OP:統制力のない強迫性情熱(obsessive passion: 以下 OP)


・自分でやめられない、コントロールが困難


・そのことをして得られる結果が欲しい


・そのことがないとだめ、取り憑かれてしまっている


・「今その活動ができないとき」に痛みが生ずるもの


テレビやネット、ギャンブル依存、ワーカホリック、DVなどもOPが生じていると言われ、これらは、ウェルビーイングと、パフォーマンスを減少させてしまいます。


② HP:統制力を備えた調和性情熱 (harmonious passion: 以下 HP)


・いつでも辞められる、コントロールが可能なもの


・そのこと自体が楽しくて、他の活動との葛藤が少ない


・その人の他の人生と調和しているもの


・「一生その活動ができなくなる」と分かった時に痛みが生ずるもの


集団スポーツ、芸術、対人関係での活動においても HPが生ずると言われ、これらはウェルビーイングと、パフォーマンスを増大させてくれます。


[参考:「情熱に関する心理学研究の概観-Vallerandの情熱研究を中心に」羽鳥・石村(2017)]

OPと HPを自分の体験として置き換えてみる

「かなりざっくりいうと、燃え尽きるまでやってしまうOPと、周りの要素と調和をとるHP。OPはウェルビーイングを減少させてしまうけど、HPはウェルビーイングを増加させるんだよね。」


うるちゃんから、そう言われてみて初めて知った 「情熱(パッション)の2元モデル」 OPと HP。


聞き馴染みのない言葉に戸惑いながらも、突発性難聴になるまでの一連のプロセスを振り返って、自分の体験として置き換えてみることにしました。


当初の目的としては、


・コーチとして、コーチングのみならず、時にはカウンセリングもできるようになりたい。


・仕事のパフォーマンスを上げ、お客様やビーノメンバーをはじめ、さらに多くの人の役に立てるようになりたい


そのためにコーチングとカウンセリングのスクールへ通い、学び始めました。


ここまで考えると、自分の人生とも調和しているし、そのこと自体が楽しくて、他の活動との葛藤も少ない、まさにHPな状態です。


実際に年明けごろまではウェルビーイングもパフォーマンスも、とても高い状態にあると実感できていましたし、心身ともに気分の良い充実した日々を過ごしていました。


ところが…1月末辺りから、こうも思い始めていました。


・コーチングも、カウンセリングも、まだまだ学び足りないのでは?


・私よりもできる人は沢山いるんだし、あれも、これもできるようにならないと。


・やっぱり、ここまでやらないと駄目なんじゃないかな。この程度では、まだまだ思っているほど人の役に立てないのでは・・・?


「そのことがないとだめ」では、ないはず…


けれども、「そのことをして得られる結果」を、いつのまにか貪欲に欲しがるようになっていきました。


学ぶことの楽しさや快感。


寝る時間も惜しんで活動に没頭。


もっと、もっと、もっと・・・


まさにコントロール困難!!!


徐々にですが、「自分でやめられない」OPの状態そのものになっていったのです。


当たり前ですが、ウェルビーイングも、パフォーマンスも、ダダ下がりに落ちてしまったのは言うまでもありません。。。そして、気がつくと、右耳がビリビリと鳴り始めてしまったのでした。

いつの間にか、目的と手段がすり替わる

「OPもHPも両方とも『情熱』だから、本人はやりすぎていても気付きにくい。まぁ〜大切なのは『バランス』って話なんだよね。でもさ、これって今回のまどかの突発性難聴に限らず、誰もが経験することなんじゃないのかな?!」


うるちゃんと振り返りながら、そう話していた時に、はたと気づいたことがありました。


(ああ、そうか!!)


それは、いつの間にか「目的と手段がすり替わってしまう」ということでした。


目の前にあることに没入し、ひとりで黙々とやり続けてしまっている時、いつの間にか「目的と手段がすり替わってしまう」。これは、誰もが経験することなのではないでしょうか。


今回、私は突発性難聴という五感の一つを失いかける、とても痛い経験をしました。


そのことによって、自分が意識できていたこと、できていなかったことを、立ち戻って振り返る機会を得ることができましたが…まさか、「好きで、やりたくて、楽しい!!」そう思っていることが転じて身体を蝕むことになるとは、夢にも思いませんでした。


逆に、「嫌いで、やりたくない、楽しくない」と思うことは、最初から「ストレスだな〜」と感じるので、没頭しすぎたり、やりすぎたりする心配は…案外少ないのかもしれません。

本当に大切なものを大切にするために…

「情熱」を構成する4つの要素

Vallerand博士によると、「情熱」を構成するのは以下の4つの要素だと考えられています。


・愛


・価値


・時間とエネルギー


・アイデンティティー


この4つの要素は、動機づけを生じさせる要因であり、これらが情熱を形成していると考えられているそうです。


[参考:「パッションと自動思考が well-being に与える影響」久保尊洋 ・沢宮容子(筑波大学) 2017]


「あなたが愛や価値を感じて、時間とエネルギーを注いでいるものは、あなたのアイデンティティにつながっているものですか?」


私は、この4つの要素を知った時、Vallerand博士からこんな風に問いかけられているのではないかと感じました。


そして、もうちょっと言い換えてみると、こんな問にもなりそうです。


「あなたが今情熱を注いでいるものは、あなたにとって本当に大切なことですか?」

「やりすぎ」を防止するには

では、本当に大切なものを大切にするために…何ができるだろうか?! 好きなものだからこそ、HPと思っていることがOPになっていないか? 


まずは、「定期的に振り返る仕掛け」や、「自分でやめられるようにするためのストップルール」を設けることが大切だと思いました。


「やりすぎていないか?」


「どこに力点を置くのか?」


「他のものとのバランスは? 調和は取れているのか?」


「何故それをやる必要があるのか?」


ちなみに、突発性難聴を発症してから私自身も持続可能な生き方・働き方を模索中ですが、こんな感じで、「マイ・ストップルール」を設けてみました。


・時間で区切る


・疲れを感じた時は、早めに休む


・優先順位を決める


ちなみに案外、効果があるなぁ〜と思ったことは「周りに、経験を語ること」。


すると「大丈夫なの?」「やりすぎ注意!!」「また突発性難聴なっちゃうよ!!」などと声かけてもらえる用になりました(笑)


(ちなみにビーノメンバーからも、よく声をかけもらっています。それは、会社でありながら個人的な話を持ち込んでも大丈夫な状態にあるからこそ!)


だからこそ、私の「マイ・ストップルール」はこれからも、周りのフィードバックを受けながら更新され続けていくことになるのではないかと思っています。

心と身体の声を聞く

「もっと仕事のパフォーマンスを上げ、たくさんの人の役に立てるようになりたい…」


そのために寝る間も惜しんで学びを深めていたはずの私でしたが、いつの間にか目的と手段がすり替わり、挙げ句の果てに突発性難聴を発症。


五感を失いかけてしまった「痛い体験談」を、Vallerand博士によるポジティブ心理学の「情熱(パッション)の2元モデル」を使いながら振り返っていきました。


とはいえ、「心と身体の声を聞く」って、とっても難しい。


だからこそ、日頃から、ウェルビーイングな良い状態をつくって、心身ともに自分自身を整えておくことが大切だと心底痛感しました(苦笑)


いくら好きで、やりたいことであったとしても、、


次は、これ。これ。これ。


もっと。もっと。もっと。


「愛や価値を感じ、好きで好きでやりたいこと」を、「辛くて、嫌で、やりたくないこと」にしないためにも、その関わりは、本当に自分自信とつながっているのか?! 意識的に振り返っていくことが大切です。


心と身体から発せられるサイン、「本当はどうしたいのか?」その声をよく聞いて、


「本当に大切なものを大切にする」


お読みくださった方が、そんな人生を送っていけますように・・・願いを込めて、これからも『びのけん日誌』を綴っていきます。

終わりに…

ここまで、お読みいただきありがとうございました。


最後に、「人の問題は尽きない…」そんな言葉を耳にしたことはありませんか?


世代の違い、価値観の違い、立場の違い。コミュニケーションギャップ…でも、「違いがあるからこそチームは強くなれる!!」


私たちB-nO Consultingのメンバーも、そんな風に考えながら日々試行錯誤を繰り返しています。


『びのけん日誌』では、これからも「組織が幸せに働くためのウェルビーイング経営のヒント」を探究していきます。

ぜひ、また訪れていただけたら幸いです。