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立ち止まる勇気が、組織を強くする~F1のピットインに学ぶウェルビーイング経営の本質~

立ち止まる勇気が、組織を強くする~F1のピットインに学ぶウェルビーイング経営の本質~

皆さん、こんにちは。そして、こんばんは。

2025の春から「ウェルビーイング経営って何だろう?!」という正解のない旅(連載)をスタートしたCCOまどかです。

今回はビーノメンバーの、とあるシェアから着想したF1の ”ピットイン”をメタファーに、ウェルビーイング経営の視点から「自走する組織」を目指すために必要な戦略を考えてみました。

(この記事は、 WEBページお引越し前に掲載していた記事です。当時の空気感や試行錯誤も含めて、そのままアーカイブとして残しています。)

立ち止まる勇気が、組織を強くする〜F1のピットインに学ぶウェルビーイング経営の本質〜

はじめに…多くの中小企業の経営者が感じている“経営のリアル"

「社員のモチベーションが上がらず、定着率が下がっている」

 
「コミュニケーション不足で、会社の雰囲気がどことなく暗い…」
 

「理念が形骸化してしまっていて、会社に一体感がない」
 

「評価制度が曖昧で、社員の成果が正しく評価されていない」
 

「組織の雰囲気を変えたいが何から手をつけて良いのかわからない」
 
 
これは今、多くの中小企業の経営者が感じている“経営のリアル"ではないでしょうか?!
 
 
売上やサービスだけではなく、「人」に関する課題が経営の根幹を揺さぶり始めているように感じています。
 
 
こうした中で、注目されてきたのが「健康経営」や「ウェルビーイング経営」といった、「人」にフォーカスした新しい経営のかたちです。


けれども…
 
 
「何が違うのかよく分からない」

 
「関心はあるが、実践方法がわからない」

 
「うちのような小さな会社にも関係あるの?」
 
 
という声も少なくありません。
 
 
もしかしたら、そんな疑問に「一つの答え」をくれるのが、走り続けるために戦略的に立ち止まる「ピットイン」という発想なのかもしれません。

F1にまつわる懐かしい記憶

とある日のMTG。
 
 
ビーノメンバーとともに、「3 good things」(※)をシェアしている時でした。
 
 
エンディー(ビーノ取締役・遠藤 靖)が「F1の鈴鹿グランプリを、お台場のパブリックビューイングで観に行ったんだよ〜」という話を、とても嬉しそうにシェアしてくれました。
 
 
その瞬間、ちょっと懐かしい気持ちが湧き上がりました。
 
 
(そういえば、私も昔F1が好きだったよなあ〜)
 
 
流石に鈴鹿まで足を運んだことはありませんが…深夜のテレビ中継を、遅くまで夢中で観ていたことを思い出したのです。
 
 
F1モナコグランプリでは、「こんな美しい街中を、猛スピードで走っちゃう
なんて〜!!」と心躍らせていました…
 
 
レース中継を通して、行ったことのない世界中のサーキットを垣間見れるのが、嬉しくてたまらなかったり…
 
 
フジテレビのF1グランプリの主題歌、T-SQUAREの名曲「TRUTH」をピアノで必死で奏でてみたり…
 
 
F1を遥かに凌ぐスピードと性能、AIを搭載した最先端マシンで競いあう、次世代モータースポーツが描かれたアニメ作品『新世紀GPXサイバーフォーミュラ』にハマったり…
 
 
「オタクな、マイ♡メモリー」も含め(笑) 「F1」というキーワードで、様々なシーンが頭の中を駆け巡りました!

走り続けるための戦略的行為「ピットイン」

なつかしく様々な想いが膨らんだ中で、「いったいF1の何に対して、そんなに心が動かされたんだっけ?!」と、記憶を辿ってみました。
 
 
そうだ!! 
 
 
一番心震えた場面は、ピットインの瞬間だった!!
 
 
マシンが止まったその瞬間、ピットクルーたちが一斉に動き出し、ほんの数十秒で整備を終え、また走り出す。あの瞬間、胸がぐわわわっと熱く高鳴ったのを覚えています。
 
 
全力で走るだけじゃない。
 
 
必要なときに立ち止まり、ドライバーが最高のパフォーマンスを発揮できるよう、ほんの数秒の間に、タイヤを交換し、燃料を補給し、微細な調整を加える。
 
 
まさに、走り続けるために必要なすべてを、一瞬で整える戦略的行為!!
 
 
その姿が、今になって改めて、とても美しく、そして意味深く感じられたのです。

ピットインというメタファーで「ウェルビーイング経営」を紐解く

(おや??? これってもしや・・・)
 
 
ふと思いました。
 
 
この「ピットイン」の考え方って、実は「ウェルビーイング経営」とリンクするところがあるのではないかと?!
 
 
一時的にレースを中断してでも、ドライバーとマシン、いわば「心と身体の状態」を整えるのに必要不可欠な行動、それがピットイン。
 
 
同じように、ウェルビーイング経営は、個人や組織が「走り続ける」ための土台そのものを、立ち止まって点検し、整え、必要な戦略を考え、実行…再び走り出す!!
 
 
この試行錯誤を繰り返すのが、「ウェルビーイング経営」だとしたら・・・
 
 
ちょうど「ウェルビーイング経営ってなんだろう?!」と探究していたところもあって、それならいっその事、"F1のピットイン”というメタファーを用いながら、「ウェルビーイング経営」を紐解いてみることにしよう!! 


そう思いつきました。

健康経営は“走れる状態”を保ち、ウェルビーイング経営は“なぜ走るのか”を見つめ直す

以前、企業の未来を支える2つの力「健康経営」と「ウェルビーイング経営」をどう活かすか?!(※)というタイトルで健康経営とウェルビーイング経営の違いについて考察もしましたが、健康経営は、社員の心身の健康を守り、安心して働ける環境を整える取り組みです。
 
 
メンタルヘルス対策や長時間労働の是正、定期健康診断など、やることが明確で取り組みやすい反面、制度面の整備にとどまりやすいという側面もあります。
 
 
一方、ウェルビーイング経営は、もっと人の内側に踏み込みます。
 
 
社員が「なぜこの仕事をしているのか」「自分にとっての幸せは何か」といった内発的な動機に気づき、会社と社会とのつながりを考えて、自分の働き方を主体的に選択できる状態を目指します。
 
 
これはまさに、走り続けるために戦略的に立ち止まる…つまり「ピットインして自分自身を整える」ような時間。
 
 
レーシングカーが、最高のパフォーマンスを出すためにピットインするように、人も立ち止まり、エネルギーを補給し、今進むべき方向を確認する時間が必要なのではないでしょうか?!

企業の声・確かな手ごたえ

弊社がウェルビーイング経営の実践支援を行った中小企業では、人材不足や、世代間のコミュニケーションギャップ(マネジメント層がハラスメントに気を遣い過ぎて、言いたいことが言えない…)などといった様々な課題に直面していました。
 
 
そこで、実践で使えるコミュニケーション研修のほか、社員の皆様との対話の場を設け、「働きやすさ」ではなく「働きがい」について考える取り組みも始めました。
 
 
すると、ある方がこんなことをお話しされました。
 
 
「正直、これまで“会社のために働く”という感覚が薄かった。でも、自分の声を経営者がちゃんと聞いてくれたことで、初めて“この会社を良くしたい”と思った」
 
 
また、別の企業では、「健康経営はやっていたけど、形骸化していた」といいます。
 
 
そこから、「社員が何を大切にして働きたいのか」を探るサーベイや対話を通じて、経営層自身が「社員の幸せが、自分たちの幸せにもつながる」という実感を持つようになったそうです。
 
 
これらの企業は、半年や一年で劇的な成果を出したわけではありません。しかし、


「対話の文化が根づき始めた」


「社員の目の色が変わってきた」


という確かな手ごたえを感じていると言います。

ウェルビーイング経営は、“余裕のある企業だけのもの”ではない

よく、こんな言葉を耳にします。


「うちは売上を伸ばすことが先」


「ウェルビーイング経営は、余裕のある企業がやることでしょう」


しかし実際には、課題を抱えている企業こそ取り組む意義が大きいと考えます。
 
 
ピットインを入れずに走り続ける車は、やがてガス欠や故障を引き起こします。
 
 
社員も同じです。
 
 
知らず知らずのうちに疲弊し、やりがいを見失い、ある日突然「離職」という“エンジン停止の瞬間”を迎えるかもしれない…
 
 
だからこそ、小さなピットイン=立ち止まりと対話の時間を、今こそ経営の中に取り入れていくことが重要だと、私たちは考えるのです。

健康経営とウェルビーイング経営、どちらが大切かではなく、どこから始めるか?!

以前『びのけん日誌』でもお伝えしましたが、健康経営も、ウェルビーイング経営も、「人を大切にする」という点では同じ目的を持っています。
 
 
違いは、“どこにアプローチするか”という手段の違いに過ぎません。
 
 
身体の健康から整えるのか?! 心や価値観から整えるのか?! どちらが先でも構わないのです。
 
 
重要なのは、経営者自身が「人」に向き合う覚悟を持つこと。
 
 
社員と共に、戦略的に立ち止まり、未来を描くビジョンを語り合う。そして、少しずつでも、それに向けて走り出すことなのではないでしょうか?

自走する組織を目指すなら…

そんなこと言ったって…


「時間がないから無理」


「制度がないからできない」


この日誌をお読みいただいている方の中にも、こんな風に感じられている方がいらっしゃるかもしれません。
 
 
でも、最初の一歩はとても小さくて良いんです!!
 
 
たとえば、社員と通りすがった時に、ほんの数秒立ち止まって「あの時、手伝ってくれてありがとう」「助かったよ」ちょっとだけ声をかけてみる。これも立派なピットイン!!
 
 
「最近楽しかったこと、面白かったことって何かある?」と良いことに着目して話しをしてみる。


(※おすすめは「3 good things」!!)
 
 
徐々に、「働きがいって何だろう?」を、みんなで考えてみる時間をとってみる…
 
 
「人が幸せに働くこと」
 
 
それが、企業の持続可能な成長に直結する時代だと私たちは考えています。


まずは簡単なところから! 一度、ピットインしてみませんか?!

終わりに…

ここまで、お読みいただきありがとうございました。


私たちのチャレンジ・試行錯誤が、お読みくださった方に少しでもお役に立てれば、こんなに嬉しいことはありません!!


最後に、「人の問題は尽きない…」そんな言葉を耳にしたことはありませんか?


世代の違い、価値観の違い、立場の違い。コミュニケーションギャップ…でも、「違いがあるからこそチームは強くなれる!!」


私たちB-nO Consultingのメンバーも、そんな風に考えながら日々試行錯誤を繰り返しています。


『びのけん日誌』では、これからも「組織が幸せに働くためのウェルビーイング経営のヒント」を探究していきます。


ぜひ、また訪れていただけたら幸いです。