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「3 good things」社内コミュニケーションを活性化させるシンプル・簡単・低コストな方法とは?! 

「3 good things」社内コミュニケーションを活性化させるシンプル・簡単・低コストな方法とは?! 

皆さま、こんにちは。そしてこんばんは。CCOまどかです。

『びのけん日誌』では、私たちビーノメンバーがポジティブ心理学をベースとした「ウェルビーイング経営」を実践する中で得た気づきを中心に、人と組織が幸せに働くための経営のヒントを発信していきます。

今回は、社内コミュニケーションを活性化させる「シンプル・簡単・低コスト」な方法とは?! と題して、ビーノメンバーで毎週行っているMTGで行っている「3 good things」をご紹介していきます。

(この記事は、WEBページお引越し前に綴っていた過去の記事をベースに、今の視点で少しだけ再編集しています。大切にしてきた想いは、当時のまま。ご一読頂ければ幸いです☺️)

良いことを探すためには、日々のトレーニングが必要。その理由とは?!

ネガティビティ・バイアス

突然ですが、皆さんは「ネガティビティ・バイアス」についてご存知でしょうか?
 
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私たちの心は、脅威や侵害や失敗を発見して反応するように配線されているため、
すべての物事を良く見ようとしても、単にできないのである
 
(引用:ジョナサン・ハイト著『しあわせ仮説:古代の知恵と現代科学の知恵』新曜社)
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 人は、悪いところや、欠けているところに視点が行きがち。つまり、ネガティブなことを考え続けてしまうのは「生存本能」によるもの、というワケなのだそうです。
 
 
うるちゃん(B-nO Consulting CEO 漆間 聡子)と一緒にウェルビーイングを元にした研修や講座を実践していくなかで、偶然にもそのことを知った私は、

「そうか!! 気がつくと、ずっとネガティブなことを考え続けちゃったり、イライラ、モヤモヤしちゃうのは『本能』のせいだったのか〜。なるほど!!」
 
 
ちょっと安心したと同時に…
 

「待てよ。ってことは、人間は意識していないと、イライラ、モヤモヤばっかしてて、常にご機嫌ナナメな存在ってこと?! やっぱ、そんなの嫌だ〜?!」

と思ってしまいました。

ポジティブで前向きな状態でいるためには…

だからこそ、ポジティブで前向きな状態でいるためには、良いところを意識的に探すことができるように習慣化する、心がけておくのが大切なのか…と改めて感じたのです。
 

そんな中、「良いことを探すためには、日々のトレーニングが必要だ!」と考えたのは、うるちゃん。
 
 
自称「デフォルトが不機嫌(苦笑)」と言う彼女自身も、日々「自分にとっての“しあわせ“とは何か?」を探すために内省を繰り返し続ける努力の人…
 
 
自身の経験も踏まえて、「これはビーノメンバーでやってみたら良いのではないか?!」と思いついたことがありました。

実践 「3 good things」!!

毎週月曜の朝に30分

今から5年前の2020年。皆さんもご存知の通り、コロナの影響で対面で会うことが難しい状況でしたよね…
 
 
ビーノでは、オンラインで業務を行うメンバーがほとんど。


コロナ禍で会えないメンバーに対して「そばにいるヨ…」と感じてもらうこと。そして日頃から「仕事ではないことで会話をする時間が必要」と感じていたこともあって、毎週月曜の朝に30分ほどかけてZoom でMTGを行うことになりました!

 
そしてこのMTG、ただのMTGではありません…

 
 MTGの名前は「モニコン!(モーニング・コンパッションの略)」!!

 
内容は、1週間を遡って良いことを3つほどシェアする「3 good things」を実施。


月曜の朝からお互いを励ましあったり、時には、ホッコリして癒される時間にしてもらおうとスタートしました。

でも、良いこと3つもないんだけど…

1週間を遡って、良かったことを振り返り、言語化をして、メンバーの前でシェア。
 

やることは至ってシンプルです。
 

けれども、すんなり話せるメンバーもいれば、「3つもないんだけど…」と苦笑するメンバーも。
 
 
それもそのはず。
 

冒頭にも描いた通り、人は意識しなければネガティブなことを考え続けてしまう生き物なのだから…

変化のおとずれ

こんなことでも「1good」?!

「良いことなんか3つもない」と話していたメンバーは、


「IT導入補助金の採択率について」

「打合せがスムーズに進んだ」

「良い資料を作成できた」など、仕事をしていく中で良かったことをシェアするとこらからスタート。


そこから、「え? こんなことでも1goodにカウントして良いの?」という小さな幸せ・良かったことなど、とにかく試行錯誤しながらアウトプット&シェアし続けていきました。


そのうちに…
 
 
「補助金の話以外で『3 good things』を考えてきた!」
 
「MTGの前日に良かったことを考えておくのが習慣になった!」

「今日は運転しながら、耳だけ参加して良いかな?」 
 
「当日は別の仕事で参加できないけど、事前にSlackに良かったことを挙げておくね」

 
 毎週繰り返し続けていくうちに、メンバーの発言の質もさることながら、皆んなが相手の「good things」に耳を傾けるように…


そう! MTGに参加する姿勢が明らかに変わっていったのです。

みんなの顔を見るだけで…

そんなある日のことでした。多忙な状況にあったメンバーがこんな発言をしたのです。
 
 
 「good 、じゃないかもしれないけど…今日みんなの顔を見ることができて癒されました。ほっとしました。


今は忙しくて何もできないのが心苦しい…だからこそビーノメンバーにもっともっと貢献したいです。」
 
 
これこそ、まさに「good things」!! 
 
 
始めは「3つもない」と言っていたメンバーが、MTGの場で素直な「今」の気持ちを持ち出してくれたことに対して、私は深く深く感動を覚えました。
 
 
(実は不覚にも涙が出そうになる程に)
 
 
 そこには、ちゃんとした理由がありました。

青天の霹靂

メンバーの存在

それは2023年の秋の出来事でした。


私の母に初期の肺がんが見つかり、10月に検査入院と手術、そして11月に肺の一部を取り除く手術を行いました。
 
 
母にとっても、そして私自身にとっても、まさに「青天の霹靂」。
 
 
幸いなことに手術は成功。生検(生検組織診断の略称。病変の一部を採取し、顕微鏡で詳しく調べる検査)の結果でも転移がないことが分かり、今では手術前と変わらない生活を送ることができています。
 

しかしながら当時を振り返ってみると、手術が終わるまでのおよそ2ヶ月間、家の中はピリピリムード。
 

私自身、仕事も満足にできず、普段のように気軽に人と会うこともできなかったせいか、自分でも気が付かないほど静かにストレスが溜まり続けていく毎日でした。
 
 
 そんな時、週に一度開催されるモニコンで、ビーノメンバーの顔を見ると心底ホッとしました。
 
 
 たとえオンラインの場であっても、顔を見て声を聴いて「3 good things」をシェア。
 

それだけで、心が癒され、ホッとして、元気になっていくのがわかりました。


この期間中は、毎週のモニコンがいつも以上に待ち遠しかったことをよく覚えています。

いざという時は…みんなの役に立ちたい

ビーノメンバーには、うるちゃんを通して、私の家族に起きていることをシェアさせてもらっていたおかげで、モニコンの時間以外にも普段以上に温かい心遣いや応援をしてもらっていました。
 
 
 とはいえ、不安や恐れ、迷いといったネガティブな感情は毎日のように沸き出てきます。
 
 
その感情も、沸いては消え…ということを何度も繰り返し、比較的穏やかに、時に楽しく過ごすことさえできたのは、私たち家族を支えてくれた親戚、友人、仲間、そして、ビーノメンバーのおかげだったと言っても過言ではありません。
 
 
 「もし、同じようなことが起きた時には、私も相手に寄り添いながら、応援したい。」
 
 
 恩返し、というと大袈裟に聞こえるかもしれませんが、「いざという時は、私もビーノメンバーの一人としてみんなの役に立ちたい…」以前よりも心から強く、そう思えるようになりました。

新メンバーの声

日常の“当たり前”が当たり前じゃなくなる瞬間

今年の4月から新しく加わったビーノメンバーの、くまくん(ビーノ執行役員・熊谷 英訓)が「3 good things」を半年間やってみた変化・気づきなどを、こんな風に語ってくれました。

 
「まず大きかったのは、“振り返りの習慣”が自然と身についたことですね!


月曜の朝に3つの良いことを探すために、『そういえばあそこへ行ったな』『そうだ! あの人に連絡しないと…』など、必ず先週あった出来事を思い返して振り返る習慣がつきました。


あと、思い出すことで『仕事のリマインド』にもつながってくるのが、嬉しい副産物でした(笑)」


また、日常の中で「これ3 good thingsだね」とメンバー同士で話すことで、良いことを“探しに行く感度”が高まったと言います。


「仕事では反応や成果から見つけやすいけれど、プライベートの小さな出来事にまで自然と目が向くようになったなぁ〜と感じています。

先日も娘の部活の試合で遠出することなったんですが、以前は『やっと休みなのに、遠出かぁ…』と受け止めていた家族の予定も、『これは価値のある良い機会だよなぁ…』と感じられるように。

日常の“当たり前”が当たり前じゃなくなる瞬間が、以前より増えたと思います。


以前は、節目を迎えた時の記念行事をはじめとする大きなイベント=『良かったこと』として捉えていたけれど、今では日常のちょっとした出来事・些細な出来事でも『良かったこと』として思い浮かぶようになりました。」


くまくんは、自身の変化を嬉しそうに教えてくれました。


「3 good things 」は、何も特別な魔法でもなんでもありません。


けれども、日々の心のレンズを少しだけ優しいものに変化させてくれる…


もしかしたらそんな嬉しい効果を、私たちにそっともたらせてくれているのかもしれません。

それは特別なことではなく…

「関係への信頼」を築くには

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ほかの人の人生の旅について知れば知るほど、その人を疑いの目で見たり、嫌いになったりする可能性は少なくなる。

 
「関係への信頼」(相手と自分との間に良好な人間関係があることをわかっているからこそ生まれる信頼。)を築くにはどうしたらよいか? 

 
お互いをもっとよく知ることだ。単純な質問から相手を知ってそれを仕事に生かすのだ。
 

そして単に人を雇用しているのではなく、仕事のプロセスの中で互いの魂を尊重するような職場をつくり出すのだ。
 
 
(フレデリック・ラルー著『ティール組織ーマネジメントの常識を覆す次世代型組織の出現』(英治出版)第II部-第4章P266「物語ること」より引用)
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良いことを見つけることを習慣化して、自分の体験として話し、シェアすること。
 
 
これは一見すると、とても当たり前で些細なことに思われるかもしれません。けれども、続けていくことで、相手との関係性が着実に変化していくのを日々実感することができます。

まずやってみる、のはいかがでしょう?!

ここまで記してきたことは、何も私たちが「特別な存在だから」ということではありません。
 

「3 good things」は、誰もがすぐにスタートできる、シンプルで簡単で低コストな活動だと私は思っています。
 
 
もし、社内の人間関係や、チームの関係性を0.01mmでも良くしたいと考えているならば、まずやってみるのはいかがでしょうか?!
 
 
もちろん、ビジネスの現場でなくとも、家族や仲間とやってみるのもオススメです♬
 
 
そして、よかったら私たちにも、あなたの「 good things」をシェアしてください。楽しみにしております!!

終わりに…

ここまで、お読みいただきありがとうございました。


私たちのチャレンジ・試行錯誤が、お読みくださった方に少しでもお役に立てれば、こんなに嬉しいことはありません!!


最後に、「人の問題は尽きない…」そんな言葉を耳にしたことはありませんか?


世代の違い、価値観の違い、立場の違い。コミュニケーションギャップ…でも、「違いがあるからこそチームは強くなれる!!」


私たちB-nO Consultingのメンバーも、そんな風に考えながら日々試行錯誤を繰り返しています。


『びのけん日誌』では、これからもビーノメンバーの活動と組織が幸せに働くためのウェルビーイング経営のヒントを探究していきます。


ぜひ、また訪れていただけたら幸いです。